なんで上級者のピカチュウはギャラドスに10万ボルトを撃たないの? ポケモンガチ勢が語る「ポケモンバトル」の面白さと奥深さ | ニコニコニュース



 「ポケットモンスター ソード・シールド」が発売されるのは11月15日。「ポケットモンスターシリーズ待望の完全新作がNintendo Switchで楽しめることこともあり、早くも大きな盛り上がりをみせています。

「ピカチュウとギャラドスのジレンマ」解説

 「ポケモン」といえば、かわいいポケモンたちをはじめとした個性豊かなキャラクターたちが大きな魅力。しかし、ポケモンをこよなく愛するガチ勢たちが特にハマっているのはポケモンたちを対人戦で戦わせる「レーティングバトル」。ニコニコ動画YouTubeで注目を集めたレーティングバトルは今やポケモン界の中でも人気コンテンツの1つとなっていますが、豊富な知識や鋭い読みが必要となることが知られており、ハードルが高いイメージがあるのも事実。「YouTubeポケモンバトルの動画を見ることはあるけど、どう戦えばいいか分からない」……そんな人も多いのではないでしょうか。

 「せっかくポケモンの新作が出るんだから、ポケモンバトルのノウハウを教わりたい……!」そう思いたち、「芸人界最強」を自称するポケモン芸人・ヤマグチクエストさんからレーティングバトルの魅力について教えてもらうことにしました。ポケモントレーナーは対人戦でどんな読み合いを繰り広げているのか、上級者と初心者は何が違うのか、そんなバトルの疑問も、これで少しは理解できるはず……!

ライター:ヤマグチクエスト

笑いを忘れたゲーム好き芸人。中でもRPGシナリオの思い入れが強く、「伏線」「考察」と聞いただけでよだれが出る。あと野球も死ぬほど好き。一番好きなゲームは「ポケットモンスターシリーズ。過去にねとらぼで取材した記事:「ゲームやってない奴って話がつまんなくないですか?」 ガチゲーマー芸人「ヤマグチクエスト」のゲームへの異常な愛情

●「レーティングバトル」の魅力を解説する人と聞き手

ヤマグチクエスト:プレゼンする人。ガチゲーマーお笑い芸人。「カブト」の厳選のために28時間ぶっ通しでプレイするほどのポケモントレーナー。「サワムラー」のことはなんとも思っていない。

たろちん:聞き役。ねとらぼ編集部で働いてる元ゲーム実況者ポケモンは「緑」「サン」をプレイしたくらいで、レーティングバトルはやったことがない。好きなポケモンは「サワムラー」。

●通常の「ポケモンバトル」と「レーティングバトル」の違い

たろちん:本日お教えいただくテーマポケモンの「レーティングバトル」ってことなんですけど、そもそもレーティングバトルって何?

ヤマグチクエスト:そうですね、レーティングバトルという言い方をするとよくわかんないと思うんですけど、要するに“ルールが競技的に明確化されたポケモンバトル”ってことですね。ガチ勢がやるポケモンバトルだと思ってもらうと分かりやすいかもしれません。

たろちん:普通にストーリー進めていくときのポケモン対戦とは別のルールが設定されてるの?

ヤマグチクエスト:まぁそういうニュアンス大丈夫です。ちなみにポケモン対戦のことはどのくらい知っていますか?

たろちん:えっと、ポケモンを6匹連れて行って全部やられたら負け、っていうのは分かるレベル小学生が通信ケーブルつないでやってるみたいな。

ヤマグチクエスト:いつの話だ。でも、その通信ケーブルつないで対戦していた時代から、トレーナーポケモンに道具を使うのは禁止されていましたよね。さらに今は6体連れていってもそこから3体を選んで戦うことになっていて、ポケモンに道具を持たせることはできるけど、同じ道具を2体以上に持たせたり同じポケモンを2体以上使ったりするのも禁止。さらに、どんなにレベルを上げても50レベルに均整化されます。そうしてなるべく平等でかつ自由度を損なわないようなルールが設けられているのがレーティングバトルですね。

たろちん:ああ、なるほどゲームストーリーの中でできることに制限をかけて戦略性を高めたものがレーティングバトルってことね。

ヤマグチクエスト:そういうことです。「レベル100にして四天王ボコってイエイ!」だけじゃなくて、ガチ勢にとってのポケモンはそんなことになっているんですよ。

たろちんなるほど、ちょっと興味湧いてきた。

●人間同士だからこそ生まれる読み合い

ヤマグチクエスト:ではたろちんさん、ポケモンには炎タイプ草タイプ水タイプなどさまざまなタイプがありますが、このタイプ同士の相性はどれくらい分かりますか?

たろちん:うーん、炎は草に強くて、草は水に強くて、水は炎に強い、みたいなのはなんとなく知ってる

ヤマグチクエストなるほどタイプ相性はなんとなく分かっているみたいですね。トレーナーは6体ポケモンを連れて行けるわけなんですけど、今回は炎と草と水の他に、ピカチュウなどの電気タイプピジョットなどの飛行タイプフーディンなどのエスパータイプの計6体を連れて行ったとして、相手が炎タイプ6体だったとします。

たろちん:ええ!? こんなジムリーダーみたいなヤツいんの!?

ヤマグチクエスト:これはさすがに極端な例ですけど、レーティングバトルルール上、タイプに制限はないので同じポケモンでなければ大丈夫です。それで、この対戦相手に対してこちらが3体選ぶときに草タイプは連れて行くべきじゃないってのは分かりますよね?

たろちん:炎に負けちゃうからね。でも、水タイプ連れていけば楽勝。

ヤマグチクエスト:はい、そう思うでしょ? でも、ここからが面白いんです。

たろちん:ほう?

ヤマグチクエストレーティングバトルにわざわざ炎タイプポケモンを6体連れてくるトレーナーが、水タイプの対策をしていないはずがないんです。水タイプの技を受けても一撃は耐えられるようなアイテムを持たせていたり、水タイプに弱点となる技を先に撃って倒せるよう素早さを底上げしたりして対策してきます。そしてバランスよく見えたこちらのパーティも、まんまと水タイプポケモンが倒された後では、炎タイプに強いポケモンがいなくなってしまって返り討ちにあってしまうこともあるわけです。

たろちん:えっ……こんなに分かりやすいパーティが相手なのに?

ヤマグチクエスト:言ったらこの相手のポケモンたち、炎技を使おうと思ったら全員使えるわけですから、全員に炎技を覚えさせる必要もないんです。ストーリーの中のジムリーダーとかは炎タイプなら炎の強い技をいっぱい使ってくるだけだったじゃないですか。

たろちん:そう、だから近くで釣ったタッツーとかを育ててたら勝てた。

ヤマグチクエスト(笑) それが、レーティングバトルじゃそうはいかないんです。

たろちん:そうか……CPU相手には読み合いなんかほとんどなかったもんな……。

ヤマグチクエスト:そういうことです! レーティングバトルは 、こうした“人間同士だからこそ生まれる読み合い”が面白いんです。では、次は分かりやすくするために初代のポケモンで解説をしましょう。

●「ピカチュウギャラドスジレンマ

ヤマグチクエスト:“人間同士だからこそ生まれる読み合い”の象徴的な例として「ピカチュウギャラドスジレンマ」を説明しましょう。自分が電気タイプピカチュウを出して、相手が水/飛行タイプギャラドスを出してきたという状況だとします。これは素早さの関係でピカチュウ側が先制攻撃できる組み合わせですが……たろちんさん、これはどちらが有利な状況か分かりますか?

たろちん:たしか水タイプ飛行タイプ電気タイプが弱点だよね? じゃあピカチュウならギャラドスには勝てる。

ヤマグチクエスト:そう、この対戦しているポケモンタイプだけで勝敗を決めるならそうなりますし、ストーリー内のトレーナーだったらそれでいいんですが、人間同士ではそうはいかないこともあるんです。先ほど言ったように、レーティングバトルでは対戦前にお互いの6体を全て見せ合います。

たろちん:今回ご用意したのはこちらでございます、と。そこから3体選ぶんだよね?

ヤマグチクエスト:そこの3体を何にするのかという読み合いから対戦は始まっています。その見せ合いをしたとき、もしも相手の6体の中に電気タイプの技を無効化する地面タイプポケモン、例えばダグトリオなんかがいた場合、相手は人間ですから交代してくる可能性がありますよね?

たろちん:確かに、このままだとギャラドス負けちゃうからね。

ヤマグチクエスト:基本的に、ポケモンの交代は相手が技を撃つより先に行われます。つまりここでピカチュウが「10万ボルト」のような電気技を選んだとき、相手が地面タイプに交代してきたら、ダメージを与えられない上に不利な状況になってしまう、と。

たろちん:地面が電気に強いからってこと?

ヤマグチクエスト:その通りです。相手が地面タイプに交代してくるのなら、本来有利だったはずのこちら側が逆に交代しなきゃいけない状況になるんです。

たろちん:そうなの!? じゃあこっちも地面に強いポケモンに交代すればいい。

ヤマグチクエスト:……待ってください、肝心なのはここからです。いいですか、今ピカチュウ電気タイプの技を撃たないで交代するというお話をしてましたが、もしそうなった場合、ギャラドス側に残る理由が生まれませんか?

たろちん:?? ……ああ、そうか、電気技を撃ってこないからか!

ヤマグチクエスト:そう! ギャラドス側からすれば「電気技が来るなら交代しますが、ピカチュウが交代するなら残りますよ」となるわけです。

たろちん:ほうほう!

ヤマグチクエスト:そして、ギャラドスがこのまま残るのであれば、今度はピカチュウにも残る理由ができますよね。

たろちん:……ってことは、考え抜いた結果お互いが交代せずにギャラドスが電気技をくらってやられちゃうこともあるってこと?

ヤマグチクエスト:全然あります。でも、その事象に行き着くまでにこれだけの読み合いが行われているんです。これで1ターン終わったら、次のターンからまた同じような読み合いを繰り返していくわけです。

たろちんなるほど、複雑な読み合いを重ねていくわけか。……ってことはこれ結局、運ゲーになっちゃうんじゃない?

ヤマグチクエスト:そうですね。相性の読み合いで勝負が決まるのならば「トッププレイヤーもただの強運の持ち主ってだけなんだろう」と。確かにそういった一面もあるかもしれませんが、それだけではありません。では、ここから数値のお話をしましょう。

たろちん:大学の講義かよ。

●運以外の要素が勝負を分ける

ヤマグチクエスト:例えば先ほどの状況で、ピカチュウが電気技をギャラドスに撃つことができた……つまり、ギャラドスが読み合いに負けた場合に、ピカチュウの攻撃をギャラドスが耐えて、逆にギャラドスが覚える地面技で返り討ちにしたらどうなります?

たろちんギャラドスの勝ちだけど、そんなんできるの?

ヤマグチクエストポケモンの能力値って、実はトレーナーが少しだけいじることができるんです。

たろちん:……改造?

ヤマグチクエスト違いますゲーム内では「基礎ポイント」と呼ばれているもので、ネットなどでは「努力値」なんて言い方もしますが、それをポケモンごとに割り振ることで能力を少しカスタマイズできるんです。さきほどのケースで言うと、ピカチュウよりも先に動いて地面技を撃てるように素早さに割り振ってみたり、ピカチュウの10万ボルトを1回耐えられる調整にしておいたりするわけですね。そうやって上級者は、読み合いに負けないようにするだけでなく、負けた時の保険も張っておくことで勝率を上げているんです。

たろちんうわあ……もう情報戦だな。

ヤマグチクエスト:そうなんです、先ほどお話しした炎タイプばっかりのパーティでは水タイプポケモンからのダメージ計算やすばやさの調整がその対策の1つになるわけです。ダメージの計算ツールネットで調べれば有志の方がお作りになられたものがありますんで、慣れてきたらそれを是非活用してみてください。

たろちん:でも、何をどう対策すればいいのか分からないしなあ。

ヤマグチクエスト:それはもう戦っていくうちに微調整していくようになると思うのですが、初めは流行っているポケモン、いわゆるトップメタの対策から始めるとスムーズです。例えばウルトラサンウルトラムーンの環境でチートみたいな活躍をしていた「カプ・テテフ」というポケモンがいまして……。

たろちん:ああ、なんかサン・ムーンで出てきたヤツだ。聞いたことあるけど、チートなの?

ヤマグチクエストポケモンにはタイプの他にそれぞれ特性というものがあります。このカプ・テテフはエスパー/フェアリータイプで、特性が「サイコメイカー」というものでして、これは5ターンの間エスパータイプの技の威力を1.5倍にしてくれる効果があります。

たろちん:それってそんなに強いの?

ヤマグチクエスト:これだけならまだ許せるんですが、もう1つこのサイコメイカーの効果として、「でんこうせっか」などの相手よりも先に動いて攻撃できる技「先制技」が撃てなくなるという効果があるんです。

たろちん:……ほう?

ヤマグチクエスト:つまり、カプ・テテフに素早さの上がる調整や「こだわりスカーフ」という素早さを底上げするアイテムを持たせていれば、ほとんどのポケモン先制攻撃でき、かつ1.5倍の威力で自身のタイプのエスパー技を撃てる環境にすることができるんです。

たろちん:うわあ、せこ! ズル! みんな使うじゃんそんなん!

ヤマグチクエスト:そう、みんな使いますよね? だからこそ、その対策をしておけばいいんです。

たろちん:……あ、そういうことか! これ対策されすぎて身動き取れなくなって逆にみんな使いづらくなるみたいなパターンか。

ヤマグチクエスト:そう、もう試合前から始まっているんです。ポケモンの読み合いは。

たろちん:奥深え! なんかそういうのもっと教えて!

●「へんげんじざい」が強すぎて“ゲッコウガを使ってゲッコウガ対策をする”

ヤマグチクエスト:では、「ゲッコウガ」というポケモンがいます。このポケモンには「へんげんじざい」という特性がありまして……。

たろちん:もう強そう。

ヤマグチクエスト:この特性は自分のタイプを撃った技のタイプにできるというものです。例えば、ゲッコウガは本来は水/悪タイプなのですが、炎技を使うとそれと同時に炎タイプになります。ポケモンの技は1匹につき4つまで覚えさせられるので、4つのタイプに変身することができる上に、ポケモンでは技と自身のタイプが一致している場合、技の威力が1.5倍になるので、実質どんな技でも1.5倍の威力で使えると。

たろちん:え、そんなことしていいの?

ヤマグチクエスト:なんか気が引けるくらいズルいですよね(笑)。さらにこのゲッコウガは元の素早さが高い上に、覚える技の種類も豊富なので、対策が非常に難しいんです。

たろちん:もうどうすれば!

ヤマグチクエスト:ただ、どんなポケモンにも必ず弱点はあります。例えばゲッコウガは素早さも高く、火力もそこそこありますが、耐久値が低いんです。ですから、他のタイプに変身する前に、水/悪タイプに有効な技を撃つことが対策の1つになります。

たろちん:でも素早さが高いって言ってたよね。

ヤマグチクエスト:そこで少しだけ流行ったのが、自分のゲッコウガにさきほど説明した「こだわりスカーフ」を持たせて相手のゲッコウガより早く動いて倒すという対策なんです。要するに「ゲッコウガを使ってゲッコウガ対策をする」という形ですね。

たろちん:うへえ、面白い! なんか滑稽!

ヤマグチクエスト:ただこの「こだわりスカーフ」は素早さを上げる代わりに、1つの技しか使えなくなるというデメリットがあるので、本来の「へんげんじざい」の強みを多少失っているんですよね。なので、すぐにこの型のゲッコウガは見なくなりました。

たろちんなるほどアイテムも読み合いの1つに入ってるのか。

ヤマグチクエスト:そうですね、最初6体の見せ合いの時はお互いに何をポケモンに持たせているのか分かりませんから。これまでの環境でいうと……例えば「リザードン」なんかはアイテムを読み間違えると痛い目にあってましたね。

たろちんリザードンが……?

リザードンが強い理由

たろちん:最初っからいるポケモンなのに、いまだに強いんだ。リザードンに持たせるアイテムはどういうものがあるの?

ヤマグチクエスト:十中八九、メガストーンです。

たろちん:え? じゃあアイテムの読み合いは簡単なんじゃない?

ヤマグチクエストメガストーンというのは持たせるとメガシンカ(※)できるようになるアイテムなのですが、全てのポケモンが使えるわけではなく、特定のポケモンに対応したメガストーンを持たせないといけないので、この読みは割と簡単です。ただし、リザードンにはこのメガシンカがXとYの2種類あるんですよ。Xが炎/ドラゴンタイプの物理攻撃向け、Yが炎/飛行タイプの特殊攻撃向けです。

たろちんなるほど。要するにメガストーンってのは分かるけど、見ただけじゃXのメガストーンかYのメガストーンか分からなかったと。

ヤマグチクエスト:そういうことです。Xには炎に強い地面技が当たるけど、Yは飛行タイプなので地面技が当たらない……といった特徴があるので、対策を間違えるともう後手後手に回ってしまいます。

たろちん:ということは、こっちに地面タイプがいてもリザードン対策になるかどうか分からないわけか……。

ヤマグチクエスト:そうです。ウルトラサンウルトラムーンからリザードンの技の範囲がまた広がって、XにもYにも強いポケモンというのがなかなかいないので、リザードン対策は重要なポイントでしたね。「ソード・シールド」ではメガシンカシステムそのものがなくなる可能性がありますが、リザードンは新システムの「キョダイマックス」ができるポケモンになっているようなので、今後もリザードンの天下が続く可能性があります。

●鬼強かったミミッキュと「積み技」の重要性

ヤマグチクエスト:あと、これまでの環境では「ミミッキュ」が鬼強かったですね。

たろちんミミッキュサン・ムーンからのポケモンだっけ?

ヤマグチクエスト:そうです。まずノーマルドラゴンを無効にでき、弱点も少ないゴースト/フェアリータイプというタイプを持っている時点でかなり恵まれているんですが、ミミッキュの「ばけのかわ」という、相手の攻撃を1回防ぐことができる特性が鬼のように強いんですよ。

たろちん:へー。なんか強そうだけど、1回だけでしょ?

ヤマグチクエスト:いや、1回確実に行動できることの恐ろしさをなめちゃいけません。1回確実に耐えられるということは、自分のやりたい行動を確実に1回できるということなんです。

たろちん:じゃあ、さっきのピカチュウギャラドスのやつみたいなこと考えずに、「はい、10まんボルト!」ってやっていいんだ。

ヤマグチクエスト:そうです。さらに相手が交代した場合は、攻撃を受けていないので「ばけのかわ」が残ります。

たろちん:うわ、じゃあ交代しても意味ないじゃん……。

ヤマグチクエスト:まぁ、意味がないこともないんですが、たとえ相手に交代されて不利な相手が出てきたとしても確実に1回は攻撃できちゃうわけです。

たろちんなるほど、でも攻撃力低いとか?

ヤマグチクエスト:確かに能力値はそんなに高くないですが、決して弱くはない数値です。それに、確実に1回は行動できるので、「つるぎのまい」で攻撃力をあげて次のターンで返り討ちにしてもいいし、素早さで負けてても1回耐えて、つぎのターンゴーストタイプの先制技「かげうち」で仕留める、なんて芸当もできますね。

たろちん:「つるぎのまい」なんて使ったことないなあ。

ヤマグチクエスト:そうですよね。こういう能力を上昇させる技は「積み技」などと呼ばれてまして、ストーリーを進める上ではあまり使われないですが、同じレベルで戦うレーティングバトルにおいては非常に重要な要素になってきます。レーティングバトルでは能力値を上げる方法は限られていますし、「つるぎのまい」の場合は物理攻撃力が2倍になりますから、その効果は侮れません。

たろちん:そんなに強いのか! じゃあ「つるぎのまい」使いまくれば、負けないじゃん。

ヤマグチクエスト:「使いまくることができれば」ですね。積み技を使うと、相手に攻撃の猶予を与えてしまいますから、強化しただけで瀕死になることもあります。逆に言えば、「ばけのかわ」はそういったリスクを軽減できるので強力なんですよ。

たろちん:そうか……なんか「ばけのかわ」の強さが分かってきた。

ヤマグチクエスト:積み技は、例えば相手が交代してくるだろうというタイミングで使ったり、眠らせたりしている間に使ったりすることが多いんですが、そういう読み合いを1度無視して有利な行動をとれるというのは、3対3の短期決戦において非常に有効です。

たろちん:いやーポケモン奥深えー!

パーティ編成は「好きなポケモン」からがおすすめ

たろちん:ちなみにヤマグチクエストトレーナーとしてのレベルはどれくらいなの?

ヤマグチクエスト:僕はもうペーペーですよ。

たろちん:ズルっ! 詳しいとか言いながらハードル下げるヤツ!

ヤマグチクエスト:いや、ポケモンってホントに奥深いんですよ。ポケモン竜王戦とかの大会になってくると、「何でそのポケモンにそのアイテム持たせるの!?」みたいな流行とは違う上級者ならではの構築になってたりして、いまだに僕も分からないこと多いですもん。

たろちん:あーそうなんだ! やっぱテンプレじゃ勝てないのか。

ヤマグチクエスト:もう大会の一発勝負だと、勝率のアベレージ上げるより相手に型を読ませないことが重要なんだなって見ていて思いましたね。例えば先ほどの「カプ・テテフ」で言うと、素早さを上げる「こだわりスカーフ」を持たせることが多いんですけど、優勝者は「きあいのタスキ」という一撃で戦闘不能にならなくなるアイテムを持たせていました。

たろちん:それはすごいことなの?

ヤマグチクエスト:普段レーティングバトルをしているとやはり流行があって、ポケモンごとに“このアイテムだろうな”と察しがつくんです。普通のトレーナーはその流行を想定して行動するんですが、トップクラストレーナーはその思考をいわば「メタる」ことで裏をかいてるんですよね。流行の先を見ているというようなイメージです。

たろちんほへーなるほどなあ。テンプレとして流行ってるものは大会向きじゃないんだ。

ヤマグチクエスト:そうなんです、上級者のバトルは本当に勉強になります。

たろちん:うーん、なんか対戦の面白さというか読み合いのことはなんとなく分かってきたけど、そもそも対戦するためのパーティって簡単に組めるもんなの?

ヤマグチクエスト:簡単ですよ。たろちんさん、一番好きなポケモンはなんですか?

たろちん:一番好きって言ったら……まあ「サワムラー」かな。

ヤマグチクエスト:おお! いいですね! めちゃめちゃいい!

たろちん:マジで!? 流行ってる?

ヤマグチクエスト:流行ってないし、今後流行ることも絶対ないです。

たろちん:なんだよ。

ヤマグチクエスト:では、全然流行ってないけどサワムラーを使うとしましょうか。「サワムラー」の特徴は物理の格闘タイプですから、現在の環境に多い鋼タイプ悪タイプに対して強気に出られるポケモンですね。そこで「サワムラーが勝てない相手」を考えます。格闘タイプだから、エスパータイプ飛行タイプフェアリータイプなんかも苦手なので、その辺のタイプに強いポケモンを1体入れましょう。

たろちんなるほど、逆算するわけだ。

ヤマグチクエスト:その後はさらにその2体の弱点を考えます。素早さが低いなあと感じたら素早さの高いポケモンを入れてみたり、物理型ばかりだなあと思ったら特殊型を入れてみたりしてると簡単に6体埋まるはずです。つまり、1体軸になるポケモンさえ決めてしまえばいいんです。

たろちんサトシにとってのピカチュウみたいな?

ヤマグチクエスト:その通り。自分にとってのピカチュウ的存在を決めてから、後のポケモンで相性や弱点を補完し合えば、あまり悩まず6体それなりにバランスよく組めると思います。流行のポケモンは対策されやすいので、結局このやりかたが一番だと思いますよ。

たろちん:全部好きなポケモンにしちゃダメなの?

ヤマグチクエスト:もちろん! カブってなければ全然大丈夫ですよ!

たろちんサワムラーエビワラー……。

ヤマグチクエスト:絶対勝てないですよ。

●今こそ「レーティングバトル」にチャレンジするとき

たろちん:しかし、6体でバランス整えても結局選べるのは3体ってのは面白いね。最初はちょっと難しいかもしれないけど。

ヤマグチクエスト:そうなんです! だからどんなに考えても仕方ないんで、とにかくパーティを組んで対戦してみると、だんだん自分の癖や弱点が分かってきます。「こいつばっか選んでるな」とか、「あのポケモン出てきたら全然勝てないな」とか、「こっちのパーティに対して相手このポケモンばっか使ってくるな」などなど。それを踏まえて少しずつパーティをいじっていくのも面白いですよ。

たろちんなるほど。「入れてみたけどやっぱサワムラーいらねえな!」ってなる可能性もあるのね?

ヤマグチクエスト:まあなるでしょうね。

たろちん:ひどい。

ヤマグチクエスト:ただ「ソード・シールド」で、カモネギの進化系が発表されましたからね。初代から進化がないサワムラーが進化して、新たな役割が生まれる可能性もなくはないです。

たろちん:うおお! 胸熱!

ヤマグチクエスト:あと「ソード・シールド」では、新ポケモンだけじゃなく、アイテムや特性にも新しいものが出てきて環境がガラッと変わります。なので初心者も玄人も、ほぼ横一線からのスタートなんで、始めるなら良いタイミングですね。

たろちん:でも難しそうだなあ、覚えること多そうだし……。タイプ18個あるのも知らんかったし。

ヤマグチクエスト:確かに覚えることもたくさんあるし、最初は難しいんですよね。でも、例えば僕はゲーム以外に野球も好きなんですけど、野球ってすごくルール難解で覚えることめちゃくちゃ多いじゃないですか。でも、野球を始めたのは全部ルールを覚えたあとじゃなくて、単純にプロ野球選手を見てかっこ良いなって思って始めたんです。やってるうちに理解していくものなんです。ポケモンもそれと似ていて、タイプ相性だとか努力値だとかってやってるうちに少しづつ覚えていくものなんです。みんなここの順番をはき違えてるんです。“難しいからやらない”というのはすごくもったいないですよ。「なんか対戦って面白そう」とか「あのポケモンかわいいなあ」とか、きっかけは簡単でいいんです。「ソード・シールド」が出たら育成のポイントなんかも解説したいですね。

たろちん:なんかすごくいいこと言ってる感じする。

ヤマグチクエスト:そうしてどんどんポケモン対戦に活気が出てきたらもっと盛り上がると思うんです。それこそ「ポケモンGO」や「ポケモンマスターズ」で興味持ってくれた方が始めてくれたらうれしいですね。

たろちん:ちょっと興味湧いたなあ。初めは、この講座の内容を覚えておけば良さそうだね。

ヤマグチクエスト:あ、一応補足しますが「ソード・シールド」では新要素が追加される上に、いくつかの過去作のポケモンが登場しないらしいので、下手したら「カプ・テテフ」とか使えなくなるかもしれません。

たろちん:えぇ……最初に言ってよ……。

ヤマグチクエスト:でもパーティを作る考え方とかはあらゆる環境で流用できますし、新要素が追加されるということは、新規の方でも入り込む余地があるということです。それに、読み合いのポイントや各ポケモンの強みを知ることは非常に重要なことですから、この講座の内容は知っておいて損はないですよ。

たろちん:確かにそうか……。待てよ、もし強いポケモンたちがいなくなったら、「ソード・シールド」でサワムラーが活躍できる可能性もあるのでは……?

ヤマグチクエスト:それだけは絶対ないです。

たろちん:……サワムラーに厳しくない?

普通に考えてピカチュウが有利ですが……(ポケモン画像は「ポケモンだいすきクラブ」より引用)


(出典 news.nicovideo.jp)

シブニン

シブニン

実際にこの対面になったら身代わりか草結びを打つと思う。まあレートでピカチュウをそもそも見かけない

ほぷ

ほぷ

〜ポケモンにおけるPTの作り方〜1.まずは自分の好きなポケモンを入れましょう2.後の五匹はそのポケモンの相性を補完するポケモンを入れます3.実際に戦ってみましょう。そしておのずと弱点が見えてくるのでどんどんポケモンを入れ替えましょう4.最終的に好きなポケモンがいなくなったらPTの完成です

灰原由起夫

灰原由起夫

久しぶりにポケモンやりたくなったわ。サワムラーは特性:捨て身でとび膝蹴りとかジュエル猫だましで軽業発動とかあるのでマイナーの中では戦える方。あとダブルだとサワレヒレ構築で環境入りしてた

ゲスト

ゲスト

マスゴミはこんな記事で金貰うのか(呆れ)

オスタル

オスタル

すまん無知すぎてギャラドスは水、ドラゴンだと思ってた飛行だったのか

つる

つる

パーティ見たら6匹の種族値とメジャーな型と戦術がわかるようになったらスタートライン。剣盾は大勢リストラされるから覚えやすくなったね、やったね。

汚忍ナイト

汚忍ナイト

ギャラドス君は進化前糞弱の上に大抵の初心者はNPCに騙されて500円で買わされるんだけど、実は購入個体は性格個体値優秀だったりするし、卵技もないので育成らくちんちん、広い範囲を見れて物理アタッカーに強くて弱点少ないお勧めのポケモン

D@i

D@i

2コメの説得力よ

jnp

jnp

2コメで草生えた

ヨシムネ

ヨシムネ

そして個体値厳選が始まる

Tyrol

Tyrol

2コメは割とテンプレなんだけどそこに抗い続けてレートを落とす敗北者なのが私だ ハアー、同じポケモンが好きでその子とレート2000行ってる人もいるのに…

凪衣

凪衣

たろちんってクソ面白い FF5 実況の人じゃん.ライターになってたのか

310(サト)

310(サト)

サワムラー、エビワラー二つ入れたら対策練っても絶対勝てんのか…

あしがるだいこん

あしがるだいこん

会話の寸劇としてもなかなかおもしろかった

レサレサ

レサレサ

まあ難しいこと抜きに「勝利確実」な組み合わせがあっても乱用するとは限らんな、百枚ポーカーの「ロイヤルストレートフラッシュとブタ」論理で「そんな奴に使うのはもったいない」っていう結論。

hinoDan

hinoDan

サワムラーダブルで一瞬だけ流行ったよね

邪正人鬼

邪正人鬼

育成にかける時間で他の事したくてやらなかったな、対戦自体は楽しそうなんだが

へも

へも

ニコニュースを使ってまで載せる必要があったかは兎も角、非常に解りやすい講義だった。ただお金貰うにしたって、もっと良い掲載場所があったようには思う。

adD

adD

好きなポケモンを愛でたい&このポケモンで勝ちたいという気持ちは叶わないのかなぁ(´;ω;`)

ニック

ニック

初心者向けすぎて目新しい情報はなかった